自己理解は、自分自身が元気になるため、そして、社会の中で丁度良く機能していくためにとても重要なことです。
今回は、「自己理解を深める方法は?瞑想・言語化・数値化など具体的に紹介」ということで、自己理解を主観的自己理解、客観的自己理解に分けて、それぞれの深め方を紹介します。
この2つの自己理解をしっかりと分けて考えて、それぞれを深めようとすることがポイントですね。
どちらか一方だけでは、社会の中で元気にやっていくことは難しいです。
それでは、是非読んでみてください。
まずは2つの自己理解について知る

まず、自己理解には2つの理解があることを知りましょう。
①主観的自己理解とはなにか?
主観的自己理解は、「私」という感覚そのものです。
自分の感情、感覚、体感、などをそのままに受け止めるということですね。
主観的自己理解が深くできているかどうかは、人間が元気を保つためにはとても重要な要因です。
②客観的自己理解とはなにか?
客観的自己理解は、社会・組織・他人から、自分がどう見られているかという理解です。
ある意味、自分を物のように捉えることで、社会にとっての自分を評価したり、数値化したりすることが可能です。
客観的自己理解を深めるということは、主に社会において、適応、調和、丁度良く貢献することに関わる、大事な要因です。
主観的自己理解の深めかた

主観的自己理解を深めるポイントは、今ココの自分の身体に、自分が添っているかどうか、ということころです。
最近では、潜在意識という言葉が流行っていますが、私は、自分の身体の感覚を意識していくと、等身大的に主観的自己理解が深まりやすいと思っています。
主観的自己理解を深める方法①とにかく今の自分の感情に意識を向けてみる

落ち着いた場所で自分の感情に意識を向けて見ましょう。
なにかイライラしている?
どこかほっこりしている?
今は何も感じていない?
じっくり、ゆっくり自分の感情に意識を向けていると、実は気掛かりなことがあるとか、実は今自分は充実感に溢れているとか、自分の身体の感覚に添った感情・思いに出会うことができます。
今、自分はどんな感情・思いを抱えているのか、静かに、じっくりと目を向けてみましょう。
主観的自己理解を深める方法②とにかく身体の感覚に意識を向けてみる

忙しかったり、不安だったりすると、どんどん自分の身体の感覚から離れ、頭でっかちになってしまいがちです。
目をつぶり、落ち着いてゆっくりと自分の身体の感覚に意識を向けてみましょう。
髪がおでこに振れている感覚、服が肌に密着している感覚、座っている椅子に圧力を与えているお尻の感覚。
呼吸による、身体の上下を感じてみる。
そういえばかなり肩が凝っている。
目が大分疲れているようだ。
腰がシクシク痛いようだ。
足の裏がちょっと痒いな。
お腹が減っているなぁ。
なんだ、今、眠かったんだな。
今の自分の心の重さに結構な影響を与えている身体の状態に気が付くと、少しホッとできるかもしれません。
主観的自己理解を深める方法③瞑想

上記、主観的自己理解の深め方①、②は落ち着ける静かな場所でリラックスして座って、目をつぶりながら、やると良いでしょう。
- 自分の感情に意識を向ける
- 自分の身体の感覚に意識を向ける
- 自分の呼吸に意識を向ける
これらは、いわゆる瞑想に近い行為です。
頭の中にある他人の目線や、周囲の雑踏から一時だけでも距離を置き、内なる自分の声、身体から聞こえてくる声に意識を向けましょう。
寝る前、朝起きたときなど、5分、10分でも瞑想的取り組みを習慣化することで、主観的自己理解はどんどん深まっていきます。
今ココの私の身体と、仲良くなっていきましょう。
主観的自己理解を深める方法④とにかく書いてみる

ノートでも、パソコンでも、スマホでも構わないので、とにかく今の自分の思うところ、考えるところ、感じるところを書いてみましょう。
誰かに見せるわけではないので、自由に自分をさらけ出して書いてみましょう。
慣れないうちは、自分の中の他者目線が邪魔をして、なかなか自由に書けません。
思い切って、こんなこと人に見られたら嫌われるだろうな・・と思えるような自分の本心を書き殴ってみましょう。
大事なのは遠慮をしないということです。
常識外れ、狂気、人でなし、全然OKです。
どんな言葉でもいいので、思い切って書いてみてください。
ただし、大事なのは勢いで書き殴った後、自分で読み返し、さらに自分に合うように、言葉を書き換えていくことです。
そう言う意味では、ノートよりもパソコン、スマホの方が手軽かもしれません。
自分の言葉を自分の身体に添うように、自分で修正していく。
この作業が非常に大事です。
修正に修正を重ねることで、ありのままに、自由に、自分の言葉に添うような文章になったとき、主観的自己理解はとても深まっています。
主観的自己理解を深める方法⑤とにかく語ってみる

主観的自己理解を深める、一番合理的な方法は、誰かに向かって自分を語るということです。
自分の言葉を声にして、それを自分の耳で聞くと言うこと。
これ以上に、自分の身体に添った主観的自己理解を深める方法はありません。
一人言でもそれなりの効果がありますが、一番良いのは、誰か聞いてくれる相手を見つけて語ることです。
とにかく今の自分の思いや感情を誰かに聞いてもらうこと。
そのとき、大事なのは、自分自身が自分の声になった言葉をしっかりと聞くことです。
自分の声になった言葉を自分自身が全然聞いていないのであれば、語るということに、主観的自己理解を深める効果があまり生まれません。
しっかり、自分の声を聞きながら語りましょう。
また、聞いてくれる相手をしっかり選ぶことも大事です。
相手が自分の話ばかりしてしまって、全然こちらが語れないのであれば、なかなか主観的自己理解は深まりません。
私の語りを聞いてほしい、私の語りを手伝って欲しい、そのようなお願いを相手にできると良いですね。
客観的自己理解を深める方法

客観的自己理解を深めるポイントは、その客観的自己理解が妥当かどうかということです。
つまり、多くの他人にされている自分の評価と、自分自身の客観的自己理解が近いかどうかが大事ということですね。
他人の評価と、客観的自己理解が大きくズレてしまっていると、社会の中で丁度良く活躍するのは難しくなります。
客観的自己理解を深める方法①自分の中に他人の目線をもつ

自分の中に他人の目線を持つということは大事です。
自分を客観的に捉える基本ですね。
意識してやっている人はあまりいないかもしれませんが、特定の誰かの指摘や、注意、意見を常に心にとめ、その人の目線を常に頭の中に置いておくと、自分を客観的に捉えることができるようになります。
誰かの目線を自分の頭の中にトレースする、という感覚ですね。
ちなみに、生きづらさを感じている人の中には、知らず知らずのうちにトレースした他人の目線をあたかも自分の目線かのように感じている人もいるかもしれません。
上記、主観的自己理解を深める方法を利用しながら、自分を苦しめているのは、誰の目線なのか?を探してみても面白いかもしれませんね。
客観的自己理解を深める方法②他人の意見を参考にする

客観的自己理解は、自分が他人にどう見られているかという理解ですので、シンプルに他人の自分に対する意見を参考にするのは大事なことです。
信用できる他人に、自分のことをどう思うかを忌憚なく教えてもらうことは有益でしょう。
また、直接他人に聞かなくても、私はこういうふうに他人に見られがちである、とか、こういう行為や、態度は他人にこういう印象を与えるとか、他人の反応をじっくり観察するのも大事ですね。
客観的自己理解とは、人間は、どういう時にどういう反応をしがちなのか?という研究でもあります。
他人を見て、自分を振り返り、他人から見られている自分というものの理解を深めていきましょう。
客観的自己理解を深める方法③ステータスの分析、これまでの自分の数値化された能力を振り返る

これまでの人生で数値化されてきた自分の能力を振り返るのも客観的自己理解を深めるのに有効です。
学力、就労継続力、○○歴何年、SNSのフォロワーの数、などなど分かりやすい過去の実績や、職場での立場、役割など、自分の外側についているステータス、その影響力を分析するのは大事です。
アマゾンで何かを買う時に、購入者のレビューや☆の数を参考にして買うものを決めるのと同様に、その人の何かが数字で示されるということは非常にわかりやすいです。
現在自分が持っている数字をしっかりと理解することは、客観的自己理解を深めます。
客観的自己理解を深める方法④組織、集団の中でのポジションを考えてみる

自分が属する組織や、集団の中で自分が今、どんなポジションにいるかを理解することは、客観的自己理解を深めます。
組織、集団の中の実力者や、権威者との関係はどうか?
自分の組織・集団への貢献度はどうか?
周りに今自分は、どんな期待をされているか?
これらを理解することは、集団で自分の立ち位置をわきまえながら、丁度良く活躍するのにとても大事なことです。
客観的自己理解を深める方法⑤心理テストなどあらゆるテスト受けてみる

心理テストなどを受けてみて、自分をある程度、人間のパターンのどれかに分類してみるのも、客観的自己理解を深めます。
心理学は人間の心の動き、特徴の統計学ですので、非常に客観的に自分を理解することに役立ちます。
今は、ネットで様々な心理テストや、心理分類のツールが無料で利用できますので、いろいろと試してみてはどうでしょうか。
また、自分が統計的にどんなパターンに分類されるかということがわかると、それに伴った対処法も研究することができるようになります。
とても大事なことですね。
自己理解を深める方法を具体的に紹介、おわりに

「自己理解を深める方法は?瞑想・言語化・数値化など具体的に紹介」ということで書いてきました。
大事なことは、主観的自己理解と、客観的自己理解を分けて考えるということです。
どちらか片方だけを深めただけでは、なかなか人間は社会で元気に機能していくことは難しいということですね。
主観的自己理解が深まっていなければ、どんなに社会の中で機能していても、自分という感覚がわからなくなり、心の病気になってしまうかもしれないし、客観的自己理解が深まっていないと、どんなに元気いっぱいでも、社会の中で満足できるような役割を与えてもらえないかもしれません。
2つをしっかり区別して、両方ともじっくりと深めていきましょう。
黒田明彦